乳がん体験記② 精密検査〜入院手続き編

めきゃ子
めきゃ子

初めての方は「乳がん体験記を書き始めます」にもお目通しいただければ幸いです。私の治療の概要は「乳がん治療の全容:要約版」を御覧くださいませ。

えっ!腫瘍がもう2つある!?

前回の「乳がん体験記① 定期検診〜告知編」にて除霊に成功したはずの私でしたが、大学病院での精密検査の結果はクリニックの見立てよりも悪いものでした。

大学病院初診〜入院までのタイムライン

  • 2019年
    11月20日
    大学病院初診
    マンモグラフィ・超音波・血液検査 + 主治医と手術のスケジュール調整

    紹介状をもって大学病院へ。この時点では、主治医も、「しこりが微小なのでステージ0、サクッと切ってそれで終わり」と言っていました。

  • 2019年
    12月2日
    MRI検査

    造影剤を注射してから、筒状の機械に入って撮影。20分くらい。

    うつ伏せに寝ます。ベッドの胸の部分に穴があいてるので、胸が下の方に垂れることで立体的に撮影が可能に。無痛であり、乳がん検診のデフォルトがこれだったらいいなと思いました(マンモが痛くて嫌だと言う人は多いのでは)。

    磁場を使った検査なので、工事現場のようなものすごい音がします。ヘッドホンを渡され、検査中は素敵なせせらぎ音と音楽が流れましたが、それでもガガガ!ピィー!ゴンゴン!等と聞こえました。

    造影剤は「ガドリニウム製剤」で、副作用が生じる可能性は1%未満と説明がありました(じんましん・下痢・吐き気・頭痛など)。

  • 2019年
    12月9日
    CT検査

    造影剤を注射してから、筒状の機械に入って撮影。10分くらい。

    技師さんの合図に従って呼吸を止めるのですが、動いてはならぬと緊張しました。MRI同様、閉所恐怖症の方のために、緊急ボタンを握って入るので、万が一の場合は、助けを呼べる仕組みです。

    造影剤は「ヨード造影剤」で、副作用が生じる可能性は3%前後と説明がありました(かゆみ・発疹・発赤・悪心など)。

  • 2019年
    12月11日
    主治医から各検査の結果と手術の内容の説明

    精密検査の結果を総合すると、1つではなく、2つの腫瘍が隣り合っており、かつ少し離れた下の方にもう1つ腫瘍があることが判明。

    マンモグラフィーや超音波ではわからない、MRIとCTをして初めて発見された腫瘍があったということですね。

  • 同日
    入院手続き:入院ガイドブックをもとに説明を受け、書類にサイン

    万が一の時に備えて「キーパーソン」という自分以外の意思決定者を病院側に伝え書類にサインします。同性パートナーでも手続きできました。

同性パートナーも「意思決定者」になれる

病気になってしまったことも、入院も仕方ない。でも私にとって、最も辛いのは、例えば「私の最期をパートナーが看取れない」ことです。

愛し合い生計を共にしているのに、家族として法的補償がないのです。(世界では30の国と地域で同性婚が法律で認められているのに、G7の中で日本だけ、その制度が未だにありません)

しかし、2018年3月に、厚生省のガイドラインが改定され、同性パートナーの医療現場での取り扱いが大きく変わりました。これによって:

同性パートナーでも病状説明を受けられる
・同性パートナーが臨終の立ち合いができる
・本人の意識がないときに、同性パートナーが緊急手術の同意をしたり医療方針の判断ができるようになる

「家族(親族)以外はダメ」と言われた時のために、私はこの厚生省のページをプリントアウトして、入院手続きに臨みました。

👉「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の改訂について(厚生労働省)

地方の病院だと情報がアップデートされておらず、相変わらず「家族じゃないとダメ」と言われることがあります。そんな時は冷静に、この厚生省の通知文を見せましょう。

私は入院中もいつでも誰にでも見せれるようにA4ファイルに入れておき、主治医と担当看護師には事あるごとに「キーパーソンはパートナーである」と念押ししていました。この情報があったおかげで、不安がかなり減りました。

この改定の素晴らしいところは事実婚状態でなくてもいい、というところだと思います。シングルの人も、毒親など家族にこそ来てほしくない人でも、信頼できる友人にお願いするという選択肢があるのですから。

Twitterで提供してくださったエディ★愛媛さん、ブログで紹介してくださった おくゆいかさんに心から御礼を申し上げます!3年越しですが、本当にありがとうございました!

診断は変わるもの、と学んだ

さて、話がそれましたが、私のケースでは、以下のように3つの段階全て、診断が異なっておりました。(詳細は「乳がん治療の全容【要約版】」を参照してください)

2019年
11月14日
クリニック
診断
ステージ0・非浸潤性乳管がん
悪性腫瘍は1個、大きさ数mm。
2019年
12月9日
大学病院
精密検査後
ステージ0・非浸潤性乳管がん
悪性腫瘍が2個、大きさ15mm。少し離れたところにさらに1個(悪性か判別できず)。
2020年
2月5日
手術後
病理結果
ステージ2A浸潤性乳管がん・浸潤性小葉癌
大きさは19mm。リンパ節転移あり。

最初の検査ではわからないことが、だんだん判明してくる、考えてみれば当然ですよね。大きな病気をしてこなかったので、そんな基本も知らなかったんです。

乳がんと言われたら【やってはいけない事】」でも書きましたように、最初の診断が100%確実だと思い込んでいると、治療予定に変更があった時に動揺が大きいので、「今の段階ではここまで分かったんだな」という気持ちでいるといいかもしれません。

次回は「乳がん体験記③ 入院・手術前日編」です。ではまた!

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