親の施設探しクエスト 第二章

尻メガネ
尻メガネ

親の施設探しクエスト第一章では、両親の入所施設探しの経緯や、最初の施設見学についてお話しました。1軒目で決まっちゃうかも?などと期待した自分がバカでした…。自分自身のレベル上げのため歩き回る日々が開始!

自分のレベルの低さを思い知る

2軒目と3軒目は同日

人見知りの私が、誰も頼らず1軒目の施設見学をどうにかクリアしました。忘れないうちにデータも自分が分かるようまとめました。翌日には午前午後で1軒ずつ伺う予定だったので、資料を見ながら入力できる部分を入れ、準備万端、整えました。

2軒目は実家からは遠いものの、地下鉄駅から徒歩圏、比較的街中にあります。みんなの介護で検索した際はここが最安値でした。写真で見る限り、部屋もきれいで良さそうです。でも私は何も分かっていませんでした…今振り返ると本当に恥ずかしい…無知でした。

意気揚々と地下鉄に乗り、駅からgoogle mapのナビ通りに移動すると、まさかの水路。目の前に施設があるのに渡れない!慌てて引き返し、200mほど走り何とかたどり着きました。んん?建物に3つ入口があります。名称確認すると、私が予約したのは向かって左手のようです。

自動ドアから入っていくと誰もおらず、郵便受けが整然と並んでいます。マンションみたい、という印象です。予約したのに誰もいない…慌てて資料を確認し電話しました。「真ん中の入り口から入ってください」との指示を受け、移動しました。

尻メガネ
尻メガネ

普段の私ならgoogle mapを見たときに、同じ地点に複数の施設名が登録されていることに気づいたはずです。こういう基本的なところを見ない調べない、というのは良くない兆候です。一度冷静になって考えましょう。

サ高住って何?

なぜ違う入り口から…という疑問は数分後に解けました。真ん中から入ると、とても若い男性が書類を持って現れました。1軒目は介護福祉士さんが対応してくださり、今回は生活相談員という肩書を持つ方でした。

パンフレットは事前に郵送していただいており、目を通し、データもまとめていました。なのに何故気づかなかったのか…『サ高住(さこうじゅう)』の文字に。サービス付き高齢者向け住宅という単語は聞いたことがあったのですが、それが何か詳しくは知りませんでした。

見学者がどれだけ無知でも、忍耐強く対応してくださるところも、介護職に従事される方の特徴かなと思いました。本当にすみません…無知すぎて。担当の方が丁寧に、サ高住について説明してくださいました。一般型介護型があることも初めて知りました。

うちの両親は実症状が重い(要介護状態)でありながら、認定は要支援1です。そういう人がサ高住に入っても受けられるサービスはほとんどないことが分かりました。具体的には1日1回の安否確認緊急時駆け付け生活相談有料の食事サービスのみでした。

尻メガネ
尻メガネ

介護施設の種類×要介護認定により、受けられるサービスは違います。尻メガネ家のように実情と認定に乖離がある場合、施設探しはより難しくなります。実情に沿った意見書を書いてもらえるようかかりつけ医に相談し、区分変更申請しましょう。

入り口の謎

入り口が3つあるのは『デイサービス』『サ高住』『介護付き有料老人ホーム』を1つの建物内で運営しているからでした。真ん中に位置するのが介護付き有料老人ホーム、ここに職員さんが集中、デイサービスとサ高住は必要に応じて職員さんが移動します。

こちらのサ高住は自立~要支援2くらいまで、さらに認知症ではないことを想定います。要するに、見守り機能がついた賃貸集合住宅であり、家事全般、通院など、基本的な生活を自身が行えることが前提となっています。

マンションみたいに見えたのはそういうことだったのか…勉強不足でした。「お母様は認知症とのことですし、このあたりの土地勘がないので、買い物へ出かけて自分で戻ってこられない可能性が高いですね」と指摘されました。

私としては生活全般の介助を期待していただけに、ミスマッチな見学となりました。サイトで見た時はいろいろサービスを受けられるように見えたのですが、それは要介護1以上だったようです。下調べなしに金額だけで漠然と申し込んだ自分のミスです。

尻メガネ
尻メガネ

サ高住に入所してもらい、必要があれば併設のデイサービスを利用、要介護度が重くなったら介護付き有料老人ホームへ…と広くカバーするための施設でした。自立で一人暮らしが不安という方が入所するには良い施設でした。

介護付き以外の有料老人ホームがあるの?

気を取り直して3軒目へ移動

サ高住の職員さんに無駄な時間を使わせてしまったことを反省はしたものの、午後には別の見学予約があり、気を取り直して移動しました。方向的には実家近く、但しバス下車後少し歩くようです。途中の喫茶店で2軒目の情報をまとめてから出発。

バス停を降り、google mapで施設の位置を確認、歩きます。…え?全然見えてこないんですけど?結局30分ほど歩き、ようやく施設入口にたどり着きました。この時点で疲労困憊し、「こんな遠いところは無理」と思いました。

ホテルライクな施設に入り、広いロビーで待っていると、険しい顔をした職員さんが小走りでやってきました。矢継ぎ早に「予約はしているか」「担当者は誰か」と聞かれ、みんなの介護から予約しており担当者は分からないと正直に伝えました。

私が見学に来ることは伝わっていなかったようで、一からすべて書類を記入して欲しいと言われました(心の中で、二度目の「こんな遠いところは無理」というつぶやき)。パンフレットで見る限り、一番設備が充実しているように見えただけに残念でした。

尻メガネ
尻メガネ

みんなの介護から予約すると確認メールとともに、アンケート依頼が届きます(あとでクオカードがもらえます)。アンケートで今回のことを伝えたところ、即電話がありました。施設の担当者が急病で申し伝えできないまま休んだとのことでした。

施設はすごい…でも落とし穴

今回の施設は「有料老人ホーム」であることを確認してきました。施設はかなり大きいホテルという雰囲気で、共有スペースや廊下もゆったりした設計、築年数も浅いようで全体がとてもきれいでした。入所者も品のある雰囲気の方が多いです。

予約の件は一旦忘れて、用意してきた項目を質問していくうちに、何かが違うと感じました。パンフレットでは看取りまで対応と書いてあったのに、「通院付添はすべて家族」とまず言われました。この立地で毎回家族が付添って…無理ですよね?

キョトンとしている私の顔を見て、職員さんが察したようです。「こちらは住宅型なので、要支援だとサービスはほとんど受けられないんです…」ここにきて初めて、有料老人ホームには「介護付き」と「住宅型」があることを知りました。

部屋はきれい、レクリエーションも活発ですが、日用品などの買い物や通院もすべて家族の付き添いが必須(※要支援の場合)とのことで候補から外れました。料金が安く見えたのは、介護サービスがないからだと分かりました。

尻メガネ
尻メガネ

私が昭和脳で、老人介護施設と言えば「有料老人ホーム」「特別養護老人ホーム」の二択のように思ってました。まずはいろいろ種類があることを知り、入居予定者の介護度受けたいサービスから探す必要があります。

要支援1で入所する難しさ

30分かけてバス停に到着、1時間待つことが分かりました。乗車時間は10分程度なのですが、歩くとかなりの距離…そしてアプリでタクシーを呼ぶと2,500~3,000円との表示でした。説明してくださった職員さんには申し訳ないですが、疲れ切ってしまいました。

今日は新しい単語をいろいろ覚えました。サ高住、そして住宅型。本来は自立~要支援くらいの利用が丁度いいのですが、歩行困難で家事能力ゼロの父と、認知症の母には全くマッチしませんでした。比較サイトで単純に介護度と金額で選んだ結果がこれです。

1軒目で生温い考えを抱いた私ですが、実際は非常に厳しい状況であることを思い知りました。その原因は要介護認定と実情の乖離です。これがもうすべて、と言っても過言ではありません。本人の見栄調査時間の短さかかりつけ医の認識不足、あとは審査会の運次第です。

間違って見学申込したことで、時間を拘束された職員の皆様、ごめんなさい。ただ、この経験でやるべきことは絞られました。「区分変更を申請する」か、「要支援1も対応可の介護付き有料老人ホームを探す」かです。

尻メガネ
尻メガネ

区分変更についてはケアマネさんに相談し、それにより、介護付き有料老人ホームを探すことに絞られました。

2軒目・3軒目の見学後まとめ

一覧で情報整理

見学前にExcelで一覧表を作成、質問したいところは空欄でのぞみました。帰宅後、回答を入力して完了。サ高住と住居型に入ることはないと思いますが、比較することで「どんなサービスが必要か」を知ることができます。

周辺環境

前回までは便利なところ、実家に近いところ、と考えていました。今回、遠方の見学を体験し、「夜間でも駆け付けられる」ことが大事と思いました。車を持っていない場合、夜間にタクシーがつかまらないような立地は避けた方がよいです。

実費

前回、具体的にかかる費用の話をしました。そのうち、洗濯や掃除月額費用内なのか、実費なのかは要確認です。一定回数までは月額費用、それを超えると実費というところが多いです。塵も積もれば…なので気を付けましょう。

入居条件

支援1~要介護5という感じに提示されていますが、実際の入居者層を知ることは大事です。要介護5と書いてあるが実際は受け入れできない、支援1はほとんどいない、等々、施設によりさまざまです。見学前に聞いてみるのもいいと思います。

連携医療機関

パンフレットやサイトには有名な総合病院が書いてありますが、信用してはなりません。実際そこに搬送されないケースが多いです。実際はどの病院で診てもらえるのか、日常の通院とあわせて、救急搬送時の条件も確認しておきましょう。

住民票

住んでいる地域以外の施設に入る場合は住民票の移動が必要です。地元に入所する場合は、施設により移動してくださいと言われる場合もあります。その場合、役所や銀行など手続きがかなり発生しますので事前に確認しましょう。

尻メガネ
尻メガネ

みんなの介護からお電話もらい、介護付き有料老人ホームを追加で見学したいと伝えました。後日、複数の資料が届き、その中の1軒に見学予約を入れました。次こそは!と意気込む尻メガネ。続きは第三章でお話します!

タイトルとURLをコピーしました