縁がない方には一生理解できない言葉『毒親』。私はいわゆる「毒親育ち」です。私を知ってもらうためには毒親の話が避けられません。毒親を語るには、彼らの生い立ちについて振り返る必要があるように感じたので、今日はさかのぼりたいと思います
毒親（どくおや、英: toxic parents）は、毒になる親の略で、毒と比喩されるような悪影響を子供に及ぼす親、子どもが厄介と感じるような親を指す俗的概念である。1989年にスーザン・フォワード（Susan Forward）が作った言葉である。学術用語ではない。スーザン・フォワードは「子どもの人生を支配し、子どもに害悪を及ぼす親」を指す言葉として用いた。「毒親」に関する議論は、親の「自己愛」問題が主な共通点であり、自己愛的な親について語られることが多い。毒親に育てられたと考える人が、自らを毒親育ちと称することもある。
出典：フリー百科事典『Wikipedia』
私の父「ゴルゴ」、母「イナリ」について、彼らがどのような環境や人々と関わりで毒親となったのか、エピソードを紹介していきます。
貧困を極めた男・ゴルゴ
ゴルゴは昭和初期に生まれ、父・母・姉の4人暮らしでした。ゴルゴが幼いうちに父が病死したことで生活が一変。母親は働かず、ど田舎の山奥で山菜をとって食べ、寒い日は炭焼き小屋に忍び込みホームレス生活をしていました。
しばらくして親戚宅に身を寄せたものの、そこが宗教施設。厳しい戒律があり、自由になった後も染みついた戒律がなかなか抜けませんでした。母親は相変わらず働かず、成人した姉も働かず、借金をして暮らす中、ゴルゴは中卒で住込の仕事に就きました。
仏壇を自転車にくくりつけて、片道15km、舗装されていない道路を走り配達する仕事でした。夜間高校に入学し、数年かけて卒業した後、公務員になりました。しかし生活は楽にならず、母や姉に金を無心される日々が続き、やがてうつ病になりました。
異常を極めた女・イナリ
イナリは昭和初期、ど田舎の貧しい農家に生まれました。イナリの母は3度結婚しています。子ども6人のうち、上の2人は前夫との間に生まれた子、イナリ以下4人は3番目の夫との間に生まれた子です。イナリの母の母（私から見て曾祖母）も3度結婚しています。
イナリの母は公衆の面前で突然放尿するような、一言でいうとクレイジーな人でした。歴代の夫たちは働き者で農業に専念していましたが、イナリの母は人の稼ぎで遊んで暮らすタイプでした。家事も非常に苦手で、そのあたりはイナリも非常に似ています。
イナリは高校時代の自分がいかに天才だったかよく語るのですが、残念ながら「頭が悪い」「運動神経が悪い」「性格が悪い」の三拍子揃っていました。そして卒業後、住込で就職した病院から薬品をもって逃走、突如自殺未遂を図りました。
プロポーズは「死ぬ」
自殺未遂で実家に戻ったイナリは近所の病院で働くことになりました。丁度うつで入院していたゴルゴと急接近、プロポーズはどちらが言い出したか「結婚してくれなかったら死ぬ」という台詞だったとのこと…自分の親ながら本当に怖いです。
結婚後、働かない女・ゴルゴ母との同居生活を開始しましたが、金を無心される日々が続いていました。ゴルゴの姉は結婚したものの、派手な暮らしするため闇金からも金を借り、ゴルゴはその保証人になりました。このことが後に一家を地獄へ突き落します。
そんなある日、イナリがゴルゴの上司と駆け落ち！逃避行したものの、感情の起伏が激しいイナリは突如飽きてしまい、自分が不倫したことを棚上げして、ゴルゴに迎えに来させるという暴挙に出ます。離婚してないのが謎すぎる夫婦です。
「人を轢いた」と嘘をつく
ゴルゴが単身赴任となり、イナリはゴルゴの母親と二人暮らしになりました。ゴルゴ母・姉の借金で困窮を極める生活が続く中、頼みの綱だったボーナスですが、ゴルゴからの連絡で「人を轢いて示談金を支払った」という理由で渡されませんでした。
しかしのちに、ゴルゴが革ジャンを買うための嘘だったことが発覚。貧乏を極めたゴルゴは、自分で稼げるようになってからも家族に搾取され続け嫌気がさしていました。単身赴任ですべてから解放されたゴルゴは、母も姉もイナリも顧みず遊びまくるのでした。
一方イナリは、もともと働くことが好きではなく、ゴルゴの給料をあてにしていました。ゴルゴが全財産を使い果たしても、自分は働こうとせず、ゴルゴが捨てようとしていた穴あきグンゼブリーフを自分が履く生活を送るのでした。
その後、ゴルゴとイナリの間に子どもが生まれ、毒親ぶりを発揮していきます。一方で、ゴルゴの母と姉、そしてイナリの親と兄弟たちにまつわる異常な話が…続きは②でお話します。
