毒親ができるまで② 尻メガネ編

毒親ができるまで①」では二人の幼い頃、新婚時代のエピソードを紹介しました。その後、ゴルゴとイナリの間に3人の子どもが生まれます。すぐに毒親ぶりを発揮した2人ですが、その間にもそれぞれの家族間で異常なエピソードがありました。

他人の名前で葬儀に花輪

イナリの父は寝たきりになり、イナリの母とその息子夫婦が同居している状態で、看病されることなく糞尿まみれて死にました。イナリを含む同居していない娘たちは、形見分けと称して家じゅうをあさり、ハイエナのごとく欲しいものだけ持っていきました。

葬儀の日、兄姉の勤務先・私の学校・イナリがバイトしている会社名の花輪が飾られていました。これらすべて、ゴルゴが自腹で勝手に手配した花輪でした。このあと、イナリの上司が突如弔問に訪れたことから嘘が発覚…恥ずかしいです。

更に葬儀後半、イナリの上司が持ってきた香典をめぐり、イナリと喪主であるイナリの兄が大喧嘩、途中で帰るという事態に。父の死よりも、誰がいくら包んだかが大事な家族であることが分かる、象徴的なエピソードでした。

ゴルゴ姉の蒸発と闇金の取り立て

①で少し触れたゴルゴ姉は、闇金から借りた金で豪遊した挙句、一家で夜逃げしました。残されたのは保証人ゴルゴへの取り立てです。ある日、大学生の私にイナリから電話があり、「学生課に行って個人情報を全部隠してもらえ」と指示を受けました。

実家に帰ると、表札が潰されてました。表札に名前がなければ取り立てられないと考えた、イナリの短絡的かつ感情的な行動によるものでした。このあと、ゴルゴは自分の姉と、姉の息子たちを闇金に差し出すことで保証人から逃れました。

最近、ゴルゴ姉の娘と名乗る人物から連絡がありました。ゴルゴ姉が初婚時の子で、再婚時に邪魔になって捨てられたとのこと。ゴルゴ姉は自分が余命わずかと分かったとき、息子たちに捨てられ、なんと自分が捨てた娘を頼ってきたとの連絡でした。

妹の遺産を狙うハイエナ

6人兄弟のうち上2人が亡くなり、4人姉妹となったイナリ。そのうちの1人、関西で会社を経営している妹が余命わずかとなりました。すると残り3人は結託し家に押しかけ、家事を手伝うと嘘をつき、自分たちの名前の書かれた遺言書探しを始めました。

何度も押しかけ「私たち貢献してます」アピールをしつつ、病気の妹の夫や息子たちを家から一定時間追い出し、箪笥を片っ端から開けて遺言書を探す日々が数か月続きました。そして遂に自分たちの名前が入った遺言書を発見!安心して通うことをやめたのです。

ところが妹が亡くなるとこの遺言書が見当たらず、遺産は1円も貰えないことに。亡くなった妹が落胆して遺言書を破棄したものと思われますが、本人たちは「きっとあの息子が勝手に捨てたに違いない」と逆恨みするのでした。

追う側から追われる側へ

アラナイになって弱ってきたゴルゴとイナリ。入院や介護の手続きで私も時々様子を見に行きます。ある日イナリ妹がやってきて、賞味期限の切れた納豆やら飲みきれない大量の牛乳を置いてそそくさと帰っていきましたが、実は下見でした。

イナリ妹は、ゴルゴとイナリが施設入所を検討するタイミングで「私たちがこの家、借りようか?」と持ち掛けたのです。実際はただ同然で借りて、二人が死んだ後はそのまま居座り、土地と家を乗っ取るという計画です。

法律上、家主の死後に名義変更しなくても罰則はなく、それを見越しての居座り作戦でしょう。そしてこの計画を密告してきたのはイナリのもう1人の妹!こうなってくると、もう誰を信じていいかわからない、全員悪人、アウトレイジ状態です。

毒親は”遺伝”なのか

自分の両親について、その生い立ちを書き出してみると「毒親になるべくしてなった」という感想を持ちます。では「毒親は”遺伝”なのか」と言われると、自分自身に遺伝して欲しくないという願望も込めて、そうではないと考えます。

おそらくは環境要因が強く、同じ環境下にある人物からの影響も強いと思われます。特に子ども時代は世界が狭く、家庭内しか知らない状況が多いため、親兄弟の常軌を逸した言動が常識になっていくことが想像できます。

私は日々、狂気の伝道師・ゴルゴとイナリの呪縛から逃れるべく奮闘しています。関係を断ち切る度胸も、円満に過ごす心の広さもないですが、少なくても負の連鎖を私の代で根絶やしにするつもりです。今後も毒親問題を発信していきますので、興味のある方はまたお越しください。

この記事を書いたのは:
尻メガネ

1970年代生まれ、妻と猫をこよなく愛するアラフィフ。
趣味は、妻、お散歩、食べること、猫を吸うこと。
家庭内では、掃除、洗濯、ストックの確認と補充、おやつを隠れて食べることを担当しています。

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