待った無しの毒親介護①では介護の経緯についてお話しました。今回は父の転院後、要介護認定がどうなったか、利用したサービスなどについてお話したいと思います。全力で逃げたいと思う日も…でも介護拒否はできないのです…
父転院先の対応、認知症が進行する母
呼び出しで失職寸前
父が会社近くの病院へ移り一安心と思ったら、感染症予防で面会謝絶にもかかわらず頻繁に呼び出されることになりました。身の回りのものはセット契約、基本入館できないので洗濯も有料対応なのに、週に数回は「説明がある」「必要なものがある」と呼ばれました。
具体的には計画書にサインして欲しい（他の病院では電話で聞き取りして代理サイン）、リハビリで使うはがきを持ってきて等々…。こちらの都合は完全無視、荷物の受け渡しは1週間のうち水曜日の午後3時から1時間のみ…有休使いまくりです。
医療従事者の皆様が大変なことは分かります。勤務時間もあるので平日の日中になるのも分かります。お願いしていることがたくさんあるので申し訳なく思います。…でも私にも生活があるんです。これ以上休めば失職すると話しましたが全然理解されませんでした。
「近いんだし有休使わないで行っておいでよ」と最初は優しかった上司ですが、私自身、言葉に甘えたくなくてずっと有休申請していました。そして、年40日もある有休があっという間になくなるほど消費すると、さすがに上司も承認を渋るようになりました。
当時の会社、介護休暇は存在するものの実績なしと聞いてました。外向きにはあると見せておきながら実際は取れない…日本の会社に結構多いです。しかも私の場合、要介護認定もまだおりておらず有休以外何も使えませんでした。
進行する認知症
一方、自宅に残った母。結婚してからずっと、半ば強制的に家事をこなしていましたが、父がいないことで、好きな時に起きて、好きな時に好きなものを食べる、という自由を満喫していました。しかししゃべる相手がいないことで、認知症は一気に進行しました。
父がどこに入院したのか、忘れそうでメモしても、メモしたことを覚えていられない…すべてが曖昧になっていきました。カレンダーを見ても、今日が何月何日なのか分からず、ゴミ出しの曜日も、冷蔵庫に入っているお惣菜の賞味期限も理解できなくなりました。
定期的に行って冷蔵庫の中身をチェックしますが、9割が腐っている状態。ごみ袋に入れて所定の曜日に出すよう伝えてきますが、私の帰宅後、再び冷蔵庫に戻してしまいます。同じものばかりスーパーで買い、生協にも注文し、山積みになっていきます。
父はリハビリもかねて、頻繁に母へ葉書を送りました。この葉書、私のきょうだいにも送ったようですが、私には一通も届きませんでした。私は毎週水曜に有休をとり、必要なものを届ける際、必ずお金と手紙を渡していましたが…。
認知症の方に優しく接する介護現場の映像を目にしますが、母との不毛なやり取りを続け、私自身は全然優しくできないです。一番動いている私の存在を無視し続ける父の行動にも、正直イラっとしてました。こういう時は無の境地で乗り切ります。
まさかの要支援1
今はしんどくても、要介護認定さえおりれば…と頑張りました。そして届いた認定結果、まさかの要支援1でした。要支援1は最も軽度、身の回りのことは自立して行えるが、立ち上がりなどにやや不安があるという感じの状態を指します。
ほとんど歩けない父が？今日がいつなのか理解できない母が？もう絶望しかありません。面倒な手続きを頑張った結果がこれか…。とはいえ立ち止まってはいられません。地域包括支援センターのケアマネさんに電話で報告しました。
具体的にどんなサービスを受けられるか聞いたところ、「う～ん、週1回半日程度、デイケアに行くとか…あとは家事を頼むなら週1回1時間くらいですかね…」との話。実質、私のやることは全く減らないという残酷な結果に絶句しました。
転院後、父の回復度合いは分かりませんが、年齢的にも劇的な変化は望めません。退院後にどのようなサービスが必要なのか、認定と関係なく受けられる有料サービスがあるのか、自分の生活を守るためにも調べることにしました。
要支援1で受けられるサービスは左記以外に、地域密着型介護予防サービスとして下記があります。
・介護予防認知症対応型通所介護
・介護予防小規模多機能型居宅介護
・介護予防認知症対応型共同生活介護
これら全てを受けられるわけではありませんし、介護保険内で受けようとすると回数や時間にかなりの制約があります。詳しくは担当するケアマネージャーさんに相談してください。
うちで当初利用できたのは、介護予防通所リハビリテーション（約2時間/週1回）、介護予防福祉用具貸与（介護用ベッド・設置型の手すり）、特定介護予防福祉用具販売（お風呂用の椅子）です。
※これらのサービスはすべて有料で、一定金額かかりますのでご注意ください
(引用：みんなの介護）
介護保険は2000年から始まった制度で、40歳以上が支払っています。私は40歳以降支払ってますが、親が支払開始したのは65歳。25年分支払わずに介護保険を利用していることになります。物価・利子、いろいろな意味で余裕ある世代だったはずですけど…
退院にむけての準備
きょうだい間の亀裂
この時期、私は兄と絶縁しました。この一件まで仲は良かったのですが、非協力的なのに口出しが多い、肝心な時に金も何も出さない、といったことが続いていました。「相続は放棄する、月10万くらいまでなら出す」と言っておきながら1円も出しません。
父の入院直後から私はノートとアプリ両方で家計簿を作成、ノートは両親と、アプリはきょうだいと共有し、何にいくらかかり、私がいくら立て替えているか正確に記録していました（自己犠牲は何も生みません。数百円の交通費まできっちり記帳しました）。
この時点で既に数十万立て替えてましたが、協力するの一言もなく、父や母からの電話に対して本人を見ていないにも関わらず「大丈夫だから」といった安易な発言を繰り返していました。ある日、LINEでいつも通り報告をしたところ、兄から「お疲れ様」の一言のみ返ってきました。
私の中の何かが崩れました。私は今回の件で昇進も昇給もなしと会社から宣告され、キャリアアップを諦めて介護していますが、定年間近で有休もお金も有り余っている貴方が出すのはなぜ口だけなのでしょうか…と伝えました。
誰かにこんな風に怒りをぶつけたのは、DV元夫が見舞いに来た時「お前が死ねばよかったのに！」と叫んだ時以来かも。兄はこれ以降、私には口出ししなくなりました。…が、先日も姉に対して「母に5回目のコロナ予防接種させろ」発言しているのは見ました。
姉の奮起
たまに口出ししつつ、静観していた姉。一番離れた場所におり、還暦超え、介護職（だけど知識ゼロ）。以前は「将来的に実家へ戻って親と暮らす」と発言。兄と私はこれを正式な「介護＆相続宣言」と思っていました。が、戻る気配がないままこの状態になっていました。
2020年以降、感染予防の観点で一度も来ていませんでしたが、私が激怒したあと、職場内で話をつけて時々こちらへ来るようになりました。仕事のシフトが土日＋平日1日休みで、三連休を取りやすく、夏は1か月以上休み、冬もそれなりに長い休みが取れる状況です。
2019年より前は時々来て、交通費と称して1回10万円ほど貰って帰るということをしてましたが、もうこの際、1回10万だろうが20万だろうが徴収してください、と思います。金の流れは兎も角、姉の参戦は非常に助かりました。
私は私で、介護保険を使って介護ベッドや手すりのレンタル契約、お風呂場に設置する椅子の購入（いずれも有休使用）を行い、週末姉が来て、ベッド設置のために邪魔なカーペットやタンス類を処分してくれました。不用品処分のおかげで汚屋敷も少しすっきりしました。
姉はこれまで着手できなかった、公共料金などの引き落とし、年金の振込など分散した口座も整理、ある程度まとめてくれました。また、ほとんど利用していないダスキンやヤクルトなども解約してくれて助かりました。
退院までにやったこと
父はリハビリ先に3か月お世話になりました。その間、やることは様々ありました。先ほどお話した家の中の整備ですが、入院先の病院から専門職の方と父が一度来て、実際に歩いて確認しました（有休…そして車の手配などは家族が行う）。それをもとに契約していきます。
退院後、間を開けずにリハビリを再開しないと機能が落ちるため、デイケアでリハビリできるところも探しました。契約は地域支援包括センターのケアマネさんと、デイケア先の職員さん立ち合いのもと進めました（有休）。
また、母に食事を作る能力がないため、生協の宅配弁当を契約しました（有休）。最近は美味しい冷凍宅配弁当が増えてますが、冷凍室がほとんど使えないこと、電子レンジを使いこなせないことから、冷蔵で届く生協の弁当に落ち着きました。生協は見守りサービスもついています。
光回線契約をしてカメラを設置、アプリからきょうだい3人が実家をモニタリングできるようにしました。電話だけでは話が通じない場面が増えていましたが、実際の家の様子を見られることで、不要な駆け付けが少し減りました。三千円台ででこの性能…びっくりです。
ポチップ
